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             旅の日        (平成28年5月)

 今年のゴールデンウイークは、10日間の大型連休と言われ、日本国中で国民大移動のツアーが展開されたと、テレビ報道の好材料になっていました。もはやその連休疲れも癒えて、仕事に傾注している皆様に「今更なんだ」と、言われてしまいそうですが、今回の「気ままにご挨拶」では、5月16日が「旅の日」であることを申し上げたいのです。実は、日本旅ペンクラブの方々が中心になって、この日を「旅の日」にしようと決め、毎年、この日にイベントが催されています。その一つに川柳のコンテストがあり、昨年の川柳大賞作品は「日本語が遠慮している景勝地」であったかと思います。何だかわかる気がしますね。

 ところで今回興味を持ちましたのは、5月16日が、何故「旅の日」なのかということです。日本旅ペンクラブの説明によりますと、嘗て松尾芭蕉が「奥の細道」の旅に出発した日が、元禄2年3月27日で、これを新暦でいうと1689年5月16日になります。そこで5月16日を「旅の日」にしたということでした。松尾芭蕉と旅の関係は、松尾芭蕉の生涯を振り返るとき、切っても切れないものがあると言っても過言ではありません。松尾芭蕉は人生の節々で旅にでて、その旅から得たもので、俳諧の世界での己を磨き、俳諧の在り方についても新しい発見をしています。そして芭蕉は、経験した旅での出来事を記録に残しました。それが後世に残って、今も芭蕉といえば、俳諧の聖人として尊敬されている由縁の一つです。

 ただ、だからと言って、芭蕉の書かれた旅日記が、いつも正確で間違いなく記述されていたかというと、必ずしも「ハイ」とは答えられません。特に「奥の細道」については、この旅に同行した弟子曽良が、きちんと「旅日記」を残しています。ですからこの日記と「奥の細道」とを読み比べて見ますと、内容が違う場合があります。例えば、前述しましたように、芭蕉と曽良が旅立った日は「元禄2年3月27日」と書きました。それを「奥の細道」では「弥生の末の七日」と書き、曽良の「旅日記」では、「三月二十日、同出、深川出船。千住に揚る」とあります。そして曽良は「二十七日夜、カスカベに泊まる」と書いていますので、さてこれはどういうことなのかと、後世の人は悩むわけです。曽良が先に出発していたということはあり得ますから。

 もう一つ「奥の細道」の中で、芭蕉が創作した出来事だという有名な箇所に触れておきます。それは越後から越中へ向かう難所にある「市振(奥の細道の中では一振と表記されています)」で宿泊したときの出来事として、新潟の遊女と隣り合わせの部屋で寝たと書かれています。その翌朝、出発するときに芭蕉たちに向かって、この遊女たちは伊勢参拝に向かうのだと言い、「見え隠れしながら後をついていくので、同行してくれることは叶わないでしょうか」との申し入れを受けるのです。これに対して芭蕉は「不憫ではあるけれど、断った」と書き、そのときに「一家(ひとつや)に遊女も寝たり萩と月」という句を詠んで、この句を曽良に書き留めさせた」というように書いています。(本当はもう少し長々と書いているのですが、省略します)

 同じ日、もしくは同じころの曽良の「旅日記」を読みますと、これに関連するような出来事は全く書かれておりません。曽良の日記には、7月12日は市振に宿泊し、13日は「市振を出発して、越中の堺村(今の富山県朝日町)を通過する」というようなことが書かれていて、芭蕉の書いたような話は出て参りません。もう少し付け加えれば、「奥の細道」は上述したように元禄2年の旅を書いた著作ですが、芭蕉がこれを著したのは元禄7年、5年後のことでした。芭蕉はこの「奥の細道」には俳諧の書として、もっと深い物語性を持たせようとした気配がありますが、これはまた別の話で、今日は「旅の日」のことを申し上げながら、つい芭蕉話に入り込んでしまい失礼しました。(応援団子A)
 

 
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