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八月から九月へ (平成25年9月)

 九月に入りましたが、横浜では蝉しぐれ状態が変わることはありません。依然として公園の木々からも近くの森の中からも、喧噪たる蝉の鳴き声は、まるで暑さを倍加させるように辺りに響きます。日本は今、雷、豪雨、竜巻による被害が、毎日のように何処かで発生するという憂慮すべき事態にあります。 皆さまのところでは如何で しょうか。被害に遭われたということはございませんでしょうか。心からお見舞いを申し上げます。

 こんな気象状況ですので、気分的にはまだ夏が去ったという実感はないのですが、時おり肌にかかる風の涼しさに、秋の近さを意識することがあります。九月の「気ままにご挨拶」は、正岡子規、夏目漱石と続けましたので、もう一人、子規の子弟であり、近代俳句の組織化に貢献した高濱虚子の本に、神戸で出合ったことから始めたいと思います。

 八月末に神戸で母校の同窓会がありましたので帰郷し、久しぶりに三宮センター街を歩きましたが、ふとA書房(古書店)が目にとまりました。若き日、A書房にはお世話になりました。阪神大震災で店が駄目になり、一時、場所を移していたようですが、今は復活をして元の場所で営業をしています。懐かしさもあって店の中に入ったら、書棚の見やすいところに、高濱虚子著『立子へ抄』という奇妙な名前の文庫本がありました。「あとがき」に目を通しましたら、「立子へ」と題して、娘の立子が昭和5年6月に発刊した俳句雑誌『玉藻』へ、創刊から昭和34年に虚子が逝去するまで、休むことなく寄稿し続けた小文を集めものでした。言うまでもなく購入してきました。

 この「立子へ」の全ては、第一に、娘の発刊した『玉藻』が、自分自身が発刊している『ホトトギス』同様に、俳句を愛好する人々の支持を得て、長く発刊し続けることを願ってのことであったと思われます。第二には、娘への忠告という形を取りつつ、虚子が俳句界へもの申す場にも使っていたのではないでしょうか。そうかと思うと、正岡子規臨終の場に立ち会ったときの様子を書いていて、「これは虚子でなければ書けないな」と、驚くと同時に凄みを感じました。「俳句の客観写生」にまつわる話や「俳句の調子」についての虚子の考えは、俳句を学ぶ者には説得力があり、身に沁みる話でした。

 もう一つ申し上げることがあります。 八月二十四日から始まったNHKのドラマ 「夫婦善哉」は、前回、六月の「読書に乾杯!」で採り上げましたように、昭和十五年の織田作之助作品です。今年は織田作之助生誕百年の年、これを記念する企画ドラマですが、脚本をNHK連続ドラマ「ちりとてしゃん」の藤本有紀が担当しており、新しい平成感覚の作品に仕上がっているように思います。九月七日と十四日と、後、二回分の放送がありますが、数年前に発見された「続夫婦善哉」も、今回の連続ドラマの最終回で採り上げられていると聞いております。これはまだ読んでおりませんので、ドラマを楽しみにしているところです。 

 織田作之助の作品には当然のことながら、今も多くのファンがいます。前回の「読書で乾杯!」にも書きましたように、「オダサク倶楽部」の活動は、応援団子から見ていましても、目を引くものがあります。その「オダサク倶楽部」が、この度、生誕百年記念の企画として『織田作之助−昭和を駆け抜けた伝説の文士−』(河出書房新社)を編纂し出版しました。まだ読んでいないのですが、応援団子が「読書に乾杯!」で織田作之助を書くことになったとき、アドバイスをして下さったIさんも寄稿されているという知らせがありました。

 秋は読書の秋、文学の秋と言われます。余暇の時間は、私たちも文芸作品を大いに読んで、心の栄養剤にしようではありませんか。次回の「読書に乾杯!」では、葉室麟さんの作品を採り上げたいと思案中です。しかも葉室麟さんが得意とするお家騒動に拘わる武士の心の葛藤を抉り出す話ではなく、俳人与謝蕪村の恋を題材にした著作『恋しぐれ』にしようと思っています。
                               (応援団子A)
 

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