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星の王子さまのこと (平成19年6月(2))

 先週の日曜日(6月10日)、NHK教育テレビで「ETV特集選『星の王子さま』(再)」が一時間半に亘って放映されました。今年の2月に放送されたそうですが、その時は放送のあることを知りませんでした。先月の「恥かき読書」に「星の王子さま」を書いていたものですから、興味津々で、この特別番組の再放送をお終いまで観ました。

 「恥かき読書」では、皆様が「星の王子さま」を読んで著者サン=テグジュペリの伝えたいことを、直に感じて下さればと思ったので、書かれている物語についてはほんの少ししか触れませんでした。この特別番組では、星の王子さまの育てていた「バラの花」のことについても、その背景にあるサン=テグジュペリの思いを詳しく取り上げていました。「恥かき読書」には「他の惑星から飛んできた種が、今まで王子さまの星にはない美しい花を咲かせ、友達になり、別れてきた」とだけしか書きませんでした。

 あの話を思い出しながら聞いていただきたいのですが、飛行機の修理に懸命になっているボクに、王子さまが話しかけてくる場面から物語は始まりました。ヒツジの絵を描いてあげた後、そのヒツジが自分の星に帰った時に、あのバラの花を食べてしまうのではないかと心配して、そのことをボクに訊ねる場面があります。はやく飛行機を修理したかったボクはいい加減な返事をします。王子さまは「いやな大人の話し方みたいだね」と、怒ってしまいます。真剣に王子さまの話に耳を傾けなかったからです。ボクはヒツジがバラの花を食べてしまわないように、ヒツジの口にはめる口輪の絵を描く約束をします。

 この後、地球に来てキツネに会う話は少し書きましたが、王子さまは沢山のバラの花が咲いた庭園に行き、バラたちと会話をする場面もあります。その時、そのバラたちと自分の星で別れてきたバラとの違いを覚ります。自分の星のバラは、自分が新鮮な水を与えて育て、風除けがほしいと言われれば、夜にはガラスのカバーをかけてやりました。わがままなバラでの言うことはすべて聞いてやりました。そんな世話をしてきたバラと、同じように美しいバラが庭園に咲き乱れていても、世話をしたこともないバラには、いとおしさを感じないことに気がついたのです。

 前置きが長くなりましたが、言いたかったのは作者サン=テグジュペリが「バラの花」に、自分の妻のコンスエロの日常の姿を重ねて合わせて物語を書いていたということです。フランス語の「アプロボアゼ」、直訳すると「飼いならす」という意味になるのだそうですが、星の王子さまが慈しみを込めて育んできた「バラの花」を、サン=テグジュペリは妻のコンスエロを思い浮かべながら書いたのでしょう。

 サン=テグジュペリとわがままなコンスエロとは、仲が悪く別居していたという話もあります。今回のテレビ放送では、本当はお互いに愛し合っていたということを、交わされた手紙で証言する人がいました。いずれにしても示唆に富んだこの物語を、池澤夏樹、柳田邦男、中村吉衛門ほか、多くの日本人が「星の王子さま」の本に励まされ、いつも手の届くところに「星の王子さま」をおいているという話でした。

 良いものは、いつまでも良いものなのです。この本だけでなく、積極的に良いものに出会う工夫を凝らし、そこから感じて、いつも心を磨いていなければなりません。
                                    (A)


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