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浅野総一郎の青春 (平成19年3月(1))

 この時期に雪の積もっていない富山を訪問するのは初めてです。「今年は、このまま春を迎えることになるのかなぁ・・」と、ハートウェア訪問のために空港に着いた時に思いました。谷川社長の出迎えを受けて呉羽山下のハートウェアの事務所に向かうとき、「明日は会議の後で、ちょっと付き合ってもらいます」と、あの大きな声で告げられましたが、車の中から見える雪のない雨の富山と、今月のハートウェアの活動状況を考えていて、そのことはすっかり忘れていました。

 2月末はハートウェアにとっては決算月になります。今期の営業活動状況の推移は勿論のこと、平成19年度の施策についても全員で討議しましたが、営業活動状況をプロジェクターに映し出してディスカッションする会議の進行形式も、この三年間ですっかり定着し、簡単に言うと「会議の生産性」は一段と向上したと思います。会議時間も短くなりました。 今や、 お客様に提出する提案書作成の最終レビューもプロジェクター上で進めるようになり、プロジェクターの活用範囲も増えてきました。

 社員一人ひとりがそれぞれに自己目標を定めて、来期の行動計画を確認し、会議が終了した後、「それでは行きますので・・」と、谷川社長に言われて思い出した。「そうだ、今日は会議の終了後どこかに行くのだったなぁ」と。それが、黒部市のコラーレで上映されていた「九転十起の男」、越中国藪田(現在の氷見市)出身の浅野総一郎の伝記映画を鑑賞に行くことでした。

 少し余談を挟みますが「明治維新」のことです。この時期、我が国の政治や経済は全てが官製によるものでした。主として薩摩藩、長州藩、土佐藩、肥前藩の革新派の武士達が政治、経済の随所に入り込み、官主導によって急ごしらえで構築したものと言えます。大久保利通を通して、岩崎弥太郎(三菱)、江戸時代からの政商三井家の面々が経済を牛耳ることになりました。こういう中に、旧幕府派の渋沢栄一を筆頭とする新しい民間経済人が台頭していくのです。この人たちは、上述した極めて政府に近い三井、三菱とは一線を画して、持前の企業を発展させつつ他の事業にも投資していきました。

 話を戻します。浅野総一郎はそのグループの中でも新人であり、若い時に銭屋五兵衛に憧れ商人として独立することを目指し、アイディア商売に挑戦しますが、悉(ことごと)くに失敗をします。映画の題名の「九転十起の男」と言われる由縁です。しかし、失敗を重ねるうちに、材料費が無料のものに付加価値をつけて商売をすることに着目しました。「竹の皮」、「人糞=肥料」、「燃料=薪、石炭、コークス」そして「セメント」へと事業拡大を図っていったのです。「無から有を生ずる」こと、これが浅野総一郎の生涯の理念になりました。

 浅野総一郎にとってもう一つ大事なことは、引き立ててくれる渋沢栄一、安田善次郎という先輩のいたことです。この二人がいなかったならば、総一郎の闘志、気迫だけでは事業の成功はなかったでしょう。そして、二人の先輩が総一郎に注目したのは、社員と一緒に泥まみれになって働くその姿勢でした。「稼ぎに追いつく貧乏なし」を信条とする総一郎の時間を惜しんで働く勤勉性にありました。

 「力量」、「運命」、「時勢」は、事業成功の三要素といわれます。どれが欠けても事業の成功はありません。「浅野総一郎はその三要素に恵まれたのだ」と言ってしまえばそれまでですが、浅野総一郎には、それを手繰り寄せる努力のあったことを、後世の人は学ばねばならないのでしょう。浅野総一郎の映画は三部作になるようで、この続編も現在製作中と伺いました。

 富山経済人、特に若い方々が、この映画をご覧になれば、今後の人生設計にヒントになる要素がちりばめられている映画ではないでしょうか。帰途、高速道路で空港に向かうとき、前方に浮かび上がった立山連峰の雄姿と共に、滾滾(こんこん)と力が湧いてくるように思い、今回の富山訪問をまた印象的なものにしました。(A)

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