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秋の一夜(平成18年 9月)

 朝夕の涼風や陽光に。 まだまだ青いけれど、大きくなってきた柿の実に。 夜の虫の音のオンパレー ドに。目にはさやかに見えなくても、いつのまにか辺りは秋の気配です。昨年秋に本欄でご紹介した 「畏友Oさんのコラムから」 (本ホームページ応援団コーナー 「気ままにご挨拶」 のバックナンバー、 17年10月をご覧下さい)のOさんが、今夏、定年退職をされ、すでに新たな道を歩み始められ ているのですが、この程、これまで書かれてきたコラムを一冊にまとめられて、小生にも贈って来てく れました。

 今回の冊子には、これまで毎週金曜日に送信して下さったコラムのほかに、コラムには掲載されなかったものの、Oさんの心に残り、手帳に書き溜められた先哲の箴言が掲載されていました。その一つに「人生最大の不幸は、間違ったことをしても運良くその災いが自分に及ばないことだ」 というのがあり、小生にはズシリと重たい言葉でした。 自分にさえ害が及ばなければ「ラッキー!」と、知らん顔をしてやり過ごし、後を顧みない軽薄な風潮が今や我らの周囲に蔓延しています。

 前置きを申し上げます。今から三十年以上も前のことです。私事で恐縮千万ながら、前途に
行き詰まりを感じて人生の針路変更を恩師に相談したことがありました。今は亡き恩師がその時に「広く世界を見よ」と、小生を諭されて示して下さった「あまねく見 かつ一輪の 菊を見る」という一句は忘れることはありません。そして、「これからの人生の折々にこれを読んでご覧」と、買い与えて下さった「新編百朝集」(安岡正篤著)が、今も小生の側にあります。この百朝集を登場させたいのです。ここまでが前置きです。

 「百朝集」の三十九番目に金蘭生の「真の幸不幸」という箴言が記載されているのを思い出しました。本文は文語調の言葉なので、口語調に換えて記述しますが、「間違えたことをしてもそれが問題にもならず、 幸か不幸か、 むしろ利益にさえつながる」 ということに対して、「それでいいのか」を指摘した箴言です。(下述の意訳は筆者の責任)

  『ある人が「もし人が災難にあったとしたら、それは不幸なことだろうか」と尋ねたので、「災
  難は、これを経験する人には良薬です」と答えた。 「災難は人の心を賢明にし、性根を鍛
  えなおし、変化に対応できるようにし、世の出来事を正しく量ることが出来るようにしてくれ
  る。災難を経験して、人は力をつけるのです」と。そして、人生の最も不幸なことは「たまたま
  失言しても災いが及ばす、たまたま失敗をしても事は成り、たまたま思うままに動いたのに
  利益につながる」という 「結果オーライ」 の行いを続けることです。』
  (金蘭生「格言聯壁」、金氏は清の時代の篤行の長者)

 そして、安岡さんは「とかく世の中を甘く考え、誤魔化して渡る癖がつけば、もうお終いであ
る。 真剣になれないのが一番不幸なことである。 たまたま、 上手く事が運んだという僥倖に、世の中はそんなものだと軽薄に思ってはならない。戦前の日本国はそれを間違えたのだ」と言い添えています。平常時、大概の人は「こんなことは解っている。失敗なんか考えられない」と言います。 ところが、その割にはこの種の失敗が後を絶ちません。「思いを慎み、熟考し、誠意を持って実行」することは、人間にとって決して容易ではないと思います。 「ラッキー!」では駄目なことが、安岡さんの言葉やOさんの手帳の箴言から伝わってきます。秋の一夜、身の引き締まる思いをしました。 (A)

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