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新聞の切り抜き(平成17年7月)

もう随分前から新聞や雑誌の記事を切り抜くのが習慣になっています。大事なことだと思うようなものは、「もう一度しっかり読むことにしよう」とか、「これはきっと役に立つ情報だろう」と思い、ついつい切り抜いておくのです。そのうちに机の上とか、本棚の間に切り抜いた紙片が溜まってしまい、それがいつ頃切り抜いたのかも判らず、とにかく箱の中に放り込んで、大概のものは読みもしないで箱の中で眠っているのです。

 そんな状態で、今までの紙片が片付いてもいないのに、今日はまたまた新しい記事を切り抜きました。7月2日、読売新聞朝刊の「編集手帳」です。内容は、今、話題になっている悪徳住宅リフォーム会社の詐欺事件のことを書いているのですが、お年寄りに「柱が腐っているので、このままでは家が倒れますよ」と、不安感を煽って無理やり契約を強要し、高額の工事費を騙し取った行為を、ある蟹の行動を例にして説明しています。

使われた蟹の話というのは、南方熊楠著「十二支考」に収められているものですが、川のほとりで石をぶつけられ傷ついた蟹を、もう一匹の蟹が抱きかかえるように連れ去る光景を見て、これは人間の友愛にも勝るとも劣らない殊勝な振る舞いであると感動した南方熊楠が、よくよく蟹の動きを観察してみると、なんと元気な蟹が傷ついた蟹を食いながら巣穴に運んでいるというのです。それにしても、お年寄りに親切げに近づいて虎の子のお金を巻き上げる悪徳業者は、この蟹さえも怒り出す亡者だと結んでいます。

 南方熊楠は1867年和歌山で生まれ、植物学、微生物学、民俗学の分野で活躍した人ですが、彼の研究の一端をもう一つ紹介します。それは粘菌の生死について「原形体としてドロドロと痰様の半流動体と蔑視される状態が活性時であり、固体化した胞子を護る粘菌は実は死物だ」と定説に反論し、ニューギニアの蛮族に見られる「死は哀れむべきことではなくて、人間が卑下の現世を脱して、微妙高尚の未来世に生ずる一段階に過ぎない」という死生観の表層だけを見て「むやみに笑うべきではない」と言ったのです。

 私たちが持っている固定観念の中には実は誤っていることも多く、卑近なところでは日本人が「常識だよ」と平然としていても、国際社会では顰蹙をかうことがよくあるではないですか。只今、本稿にて論じている良寛が修行した仏教世界では、「己に囚われるな、我執を捨てよ」、「固定観念を捨てよ」と説き、「もの事の是非、賢愚、美醜、迷悟も、表裏一体であることをしかと覚れ」と説いています。仏様の前では「梅雨空が鬱陶しい」とか「洗濯物が乾かない」などと、間違っても言えないでしょうね。(A)



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