友人から「松川べりの桜の蕾が膨らんできた。今年はなかなか冬が去らず、雪が降り続いたけれど、これで富山の春も近い」とのメールが届きました。友人のはずんでいる気持ちが私にも伝わってきました。そう言えば、我が家でも庭の草花が勢いづいてきて、心待ちにしていた春の到来を告げています。何か新しいものが芽生えるようで、春は人の気持ちを躍らせますね。
春の甲子園、選抜高校野球も始まりました。今大会では、過去にはなかった淡々と気持ちを述べる駒大苫小牧高校、林キャプテンの選手宣誓が話題になりました。神戸、大阪には、全国各地から熱戦を期待する人々が、今日も集まってきていることでしょう。今年は予想を覆すようなフレッシュなチームがスト8に名をあげ、球趣は盛り上がりをみせています。どの学校が優勝するのかはともかくとして、力一杯の思い切ったプレーを選手たちには望みたいものです。
プロ野球も始まります。堀江さんが近鉄バッファローズを引き受けたいと言い出したとき、「新しい話がいつも正しいとは言わないが、現オーナーたちも若い人の意見を聞いてみれば如何か」とこのコーナーで書いたのが、昨年の7月でした。その後の球界の激変は皆様もご承知の通りに展開し、何人かのオーナーが去りました。近鉄はオリックスと合併をし、楽天が生まれ、ソフトバンクが生まれました。ファンを大切にしようとする企画も各チームが実施しはじめました。
「長期に安泰している」ということの裏側では、気づかないうちに権力の偏重を生んでいます。現状を防御しようとする姿勢からは、ゆがんだものしか生まれません。過去のかさぶたを剥がす改革は、やわらかい春風があたっても痛く感じる薄い皮膚になっているようなものです。今、世の中の話題のN・A問題も、L・N問題も、結果的には新たな経済発展の起爆剤になればと思います。富山の春を称賛しようと思った話がとんだところにはずれてしまいました。(A)
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