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本のこと(平成16年11月)

  土曜日朝のテレビ、TBSの長寿番組「王様のブランチ」の冒頭を飾るのは、筑摩書房専務取締役編集部長の松田哲夫さんの「本」を語るコーナーである。とはいえ、ご本人がべらべらと本のあれこれを語る番組ではない。司会の寺脇康文さんの「今、どんな本が面白いのか」、あるいは「新しい感覚の興味深い本がないか」という問いに、松田さんがコメントする形で番組は進行していく。同席している数人の出演者と話題に上った本について語り合う、時間にして十五分のコーナーである。今週の推薦本は、谷川俊太郎の詩と吉村和敏の写真を組み合わせた「朝」という薄い本であるが、写真も綺麗だし詩もよい。朝の光は一日の始まり、明るく希望に満ちている。

 松田哲夫さんには「偏執狂時代」という新潮文庫本になった著作がある。ちくま文庫を創刊した人でもある。「偏執狂時代」を読み進むにつれてこの人の魅力に、ぐんぐん引き込まれていく。松田さんは面倒くさがらない。この仕事にこれが必要だと思ったら、とことん食らいつき、納得するまで止めない。なまじっかなことでは出来ない作業をやってのけ平然としている。「凝りすぎないように」と友をたしなめた先輩の言葉で、「編集者は僕のように病的に凝りすぎてはいけないのだ」と覚る。「編集者は自分の好みで仕事をしてはいけない、読者に伝わり、読者が喜ぶものでなければならないのだ」と。この本の最終章には「王様のブランチ」に出演するようになった経緯も書いてある。

秋は読書の季節だと昔からいわれる。静かな夜、部屋の灯りは少し暗い目だが、本にはしっかりとスタンドの照明をあてて、許されるならば、熱い紅茶に薄切りのレモンを浮かべ、さらに許されるならば、その紅茶にお好みのブランデーを数滴たらして、好きな本を読む。「秋の夜には、これはいいかも知れない」なんて、想像するのも楽しいには違いないが、どうもこれでは現実離れも甚だしい。しかも何か本筋を外している。そうだよ、本というのは、電車の中でも図書館でも、時には座り込んだ駅のベンチでも、本の中に入り込み、夢中になってついつい時間を忘れてしまうような、そんな本に出会うことが一番だ。大切なのは「没頭すること」だ。松田さんに学ばなくっちゃ。(A)


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