7月に「プロ野球団の合併問題」というテーマで、今や大騒動になっているプロ野球の縮小劇について、ファン不在、選手不在で、オーナーはじめ球団経営者が極秘裏に赤字経営の解決を謀る無謀さを指摘しました。そして、各球団のそれぞれの経営というのではなく、「プロ野球」という一つの企業体としての運営、マスコミ、放送網など関連する企業も併せて問題解決を目指すべきであることを申し上げました。そして、新しいこと全てが必ずしも正しいとは思わないけれど、「近鉄バッファロースを引き継ぎたい」というライブドア社の堀江貴文社長の意見をじっくりと聞いてみては如何かとも申し上げました。
その後の展開はご案内のとおり、球団経営者側では縮小一リーグ制案は、どうやら消滅しましたが、セ・リーグは6球団、パ・リーグは近鉄とオリックスの合併による5球団でシーズンを通し、途中にセ・パ両リーグによる交流試合を実施という案を作成して発表しました。その過程で「選手の話を聞いたらどうか」とのインタビューに、「たかが選手」発言まで飛び出し、さらには現役の有望な大学選手にお金を渡し、その選手は大事な秋のシーズンを棒にふり、自らは辞任をしてしまったオーナーもいました。野球という日本の貴重な文化を、お金で動かそうとした傲慢さが問われたのだと思います。
プロ野球70年の歴史で初めてのストライキもありました。賃金闘争のためのストライキではありません。プロ野球の健全経営を願っての選手たちの思いをぶつけたのです。古田選手会会長の苦悩の選択に、多くのファンも支持しました。その後、ライブドア社の堀江社長のほかにも楽天の三木谷社長もプロ野球団経営の意志有りとの声明を出し、球団経営者側もセ・パ6球団の方が自然だと言い始めました。「雨降って地固まる」、これで良いじゃないですか。悪いのは誰だと犯人探しをしても意味がありません。問題は日本の野球を拡大進展させる「新しい進路」を、ファンも、選手も、経営者も、マスコミも、スポンサーも、みんなが一緒になって折れるところは折れ、歩み出すことです。(A)
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