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連日連夜、日本は柔道と水泳の選手の活躍で、国民の大多数がテレビにかじり付きになっていたと思われます。周囲にも「このところ寝不足で困る」とこぼしている人が大勢いました。あらゆる不測の事態に備えた猛訓練の成果が出て金メダルを獲得した人、残念ながら金には届かなかったもののメダルを取った人、メダルの数では過去最高の成果を得たとの報道は、我ら日本人には誠に喜ばしいことでした。が反面では、まさかの敗退というのもいくつかありました。勝敗は時の運とはいえ、目の当たりに明快に結果がでる勝負は文句の言いようもなく、それぞれ選手には自分にしか分らない反省もあるでしょう。でも、次に生かせばそれでいいことです。
一方、シンクロナイズド・スイミングや体操競技のように審判のジャッジによって採点が決まるものは、どうしても観衆からのブーイングを呼んだり、観ている者に不審の念を持たせたりすることもしばしばありました。特にブーイングによって採点が変更されたことがありましたが、審判も人の子とはいえ残念なことでした。またオリンピックではいつも問題になるドーピングが今回も出てしまいました。しかも最終日にハンマー投げの金メダル選手がドーピングにより、銀メダルの室伏選手が金メダルに変わりました。ただ、ご本人は複雑な気持ちであったのでしょう。嬉しさ半分というように傍目には映りました。
アトランタオリンピックのマラソンで活躍した有森さんが、アテネから送ってくれた記事の中で、「アテネの人は、もっと普段のアテネを見て欲しい」と思っているギリシャ人が多いことを指摘してくれました。あまりにも商業主義的に流れていくオリンピックに対する警告でもあると思いました。普段の三倍にも跳ね上がる物価、ホテル・フィー、四年に一度のお祭りであるとはいえ、ギリシャ人でなくとも考えさせられます。勝敗はともかく活躍した選手たちの清々しい笑顔が汚されていくようで、ドーピング問題と共に、もう少し何とかならないのかと思いました。次は四年後の北京になります。（Ａ）
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