春たけなわ。甲子園の選抜高校野球も佳境に入る。勝ち残った学校が優勝を目指して熱戦を展開するだろう。パ・リーグは早くも第二節を迎える。セ・リーグもいよいよこの週末には始まり、おまけに今年は大リーグのヤンキースとデビルデイズが来日し、開幕戦が東京ドームで挙行される。野球ファンにとっては、まさに「球春到来」である。
大阪からサンダーバードに乗って富山に入った。ちょうど金沢を過ぎた辺りから太陽が西に沈み始め、高岡の手前で夕日が地平線に沈んでいくのを見た。地平線といってもその先は日本海であり、日本海に沈んでいく夕日は、もっともっと美しいだろとうと、豊かな気持ちを満杯にして富山に着いた。
富山駅で谷川社長にお会いしたら、「今日、富山は桜の開花宣言です。史上二番目に早い開花宣言になりました。松川べりを歩いて見ますか。」と誘っていただいた。夜桜見物とは願ってもないことで、思わぬ好機に喜び勇んで、バックライトに映える桜花の下をしばらく二人で歩いた。もう何人かの人々は、車座の酒盛りで出来上がっており、賑やかなはしゃぎ声が聞こえてきて、これまた春爛漫の富山の夜を満喫した。
翌朝、もう一度松川べりに行ってみた。船の手入れを黙々としている人、照明器具のチェックでもしているのだろうか、工具を手にかがみこんでいる人、自転車で乗りつけて桜にカメラを向けている人もいる。満開に近い桜の下を歩きながら考えた。世相何かと不安な事件が多々生じていることも確かであるが、こうした平穏な時間が永く続いてくれることを願わずにはいられない。野球に興ずることが出来、桜に癒される平和の有難さを身に沁みて感じる。感謝、感謝。(A)
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