「谷川さんはいつも遅いですね。」(深夜2時〜3時)
「谷川さんの酔っているのを、見たことがないですね!。」と、タクシーの運転手さんに声をかけられて、「ふ〜ん、見られているんだ。」と気づいたのは、昭和58年の冬でした。 立て続けに3人の運転手に同じことを言われました。
運転手さんのあの一言、「酔っているのを見たことがない。」が、嬉しくて、透き通る冬の夜空を見上げて、一際輝いている星に、深々と感謝の礼をしました。
”お酒を飲んで酔っては駄目”と教えていただいたAさんに、「ありがとうございます。」と・・・。
私に沢山の恩人がいます。 このAさんには、ビジネスマンとして、男として、そして人間として、いろんな事を教えていただきました。 遊びも丁寧に教えていただきました。 昭和48年の冬、和風会員制クラブにお供した折り。 手洗いから席に戻るとき、部厚い座布団を避けて、座って直ぐに、「谷川君お酒に酔っちゃ駄目だな!。」 「男は酒に酔っちゃ駄目なんだ。」 「君のような若者が、こんな場所でよろけていると、他人はなんと思うか。」 「若いのにいい気になってと思われる。」 「男は外に居るときは、全て仕事しているのと同じ、まして酒を飲んで酔うなどは以ての外。」 「酔いたいなら家で飲みなさい。」 「それが分かるまでうちの会社へ出入禁止にする。」
AさんはBさんから、「治は酔っぱらって、”バス停や駅のベンチで寝てみたい”と、アホな事に憧れている。」と聞かれ、酔っていない私に注意して下さったのです。
Aさんが私の知っているAさんより、ずっと大きな素晴らしい人だと言うことを、弔辞で知ることになりました。 もっと貧欲に教えていただけばと後悔先に立たずです。 Bさんはいち早く富山で、ビジネスホテルを経営して居られ、私を3人目の子供のように何かと気遣って下さいました。
あの昭和58年の冬には、仕事が順調で、おもしろくて少しの睡眠時間でも、良い夢を見て爽やかな目覚めでした。 今は毎日毎日が大変です。 それでも教えていただいた事を、思い返しながら、目の前の人と、懸命に誠実にお付き合いしていこうと思います。
ギネスブックに今も載っている。
福本豊さんが、「運がよかったんです。」 「中学も下手・高校も下手・社会人も下手・プロも下手だったから、素直に人の言うことを直ぐやった。」 「素直になんでもやった。教えて貰ったことを、しつこくやったからだと思います。」と話してました。
しつこくやらなアカンのですね。
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