健康維持のために始めたウオーキングですが、何だかんだと言いながらも、続けているうちに、今年の４月で２１年目を迎えることになりました。自宅のある住宅街の高台を下りて、北西に敷かれた一方通行の狭い通りを、２０分ほど歩くと鎌倉街道に出ます。そのすぐ右側を鎌倉街道と交差して「いたち川」が流れていて、架けられている橋を「天神橋」といいます。応援団子はこの「天神橋」を基点にして、川上を「いたち川上流」、川下を「いたち川下流」と、勝手に名づけて歩いています。「いたち川」の名前の由来は、区役所の資料によりますと、この川は鎌倉時代から交通上も軍事上も、重要な地点になっていて、宿駅もあったようです。鎌倉を出立して街道を下っていくときに、「いでたちの儀式」がこの川の傍らで行われたとか。その「出で立ち」の川ということで「いでたち川」となり、いつのときからか、「いたち川」と言われるようになったとあります。
前置きが長くなりました。かくしてこの２０年、「いたち川」の川沿いを、「今日は上流」、「今日は下流」と、せっせと歩いているうちに、四季の移ろいに見られる景色の変化、自然の営みの面白さにも出会うことになりました。カワセミの生態が見られるのもその一つです。あの背に鮮やかな青い筋を持つ鳥が、川岸の木の枝から餌を狙い、見事に小魚をキャッチしたところを何回か見ました。鴨の子育てにも驚かされます。豪雨の日、子鴨が流されないかと心配し、翌日、元気に泳いでいる子鴨の数を数えて安堵し、思わず笑顔になることもあります。カワセミは、普段、上流で見かけることが多いのですが、春さきには下流にも飛んできていることも判りました。そのほかシロサギ、アオサギもひっきりなしにやって来ます。シジュウガラやメジロも遊んでいます。警戒心が強く、川の最下流でたむろしているのがカワウです。上流にも時々現れ、潜って小魚をかっさらっていくようです。
もう一つ、「いたち川」上流歩きの楽しみに、月に一度ですが、Ｎさんの「ちりめん細工絵」を拝見する楽しみがあります。Ｎさんの「ちりめん細工絵」の額の大きさは、４０センチ四方くらいで、その絵はＮさんの家の表門の白壁に掲げられています。最初に「ちりめん細工絵」に出会ったといいますか、意識をして拝見したのが、もう１０年以上前のことになるでしょうか。それは、例の「ウサギとカメ」の寓話を「ちりめん細工絵」にしたものでした。描かれていた構図は、油断をして居眠りを続けているうさぎの寝姿と、山の頂上に立てられたゴールの旗に、もうすぐ到着するはち巻きをしたカメの姿でした。
数年前のある日、いつものようにウオーキングに出て、丁度、Ｎさんのお宅の前を通りかかったとき、たまたまＮさんが「ちりめん細工絵」の前で、ご近所の人でしょうか、その「ちりめん細工絵」の話をなさっていました。これは絶好の機会だと思い、話の中に「大変、失礼ですが・・・」と割り込ませていただきました。応援団子は、「この絵の前を歩かせてもらっている、自分は隣町の男であるが、毎月、絵が変わるのを楽しみにしていること。実はパソコンの“ＳＮＳ”に日記を書いていて、拝見したＮさんのちりめん細工絵は、毎月紹介させていただいていること。その日記を読んでくれる仲間の中には、是非とも言葉だけでなく、写真を見せて欲しいという人が多いこと」を伝え、「写真を撮らせて下さい」と、お願いしました。それに対して、Ｎさんは快く「いいですよ」と、仰って下さいました。
以後、“ＳＮＳ”には写真を見たお仲間から「今月も気の和むちりめん細工絵を見せていただき有難う」という喜びの感想が返信されて来ますので、応援団子もＮさんに感謝しつつ喜んでおります。昨年末から今年にかけて、富山は例年になく雪の日が多いのではないかと心配しています。横浜の地で、今日の富山の天気予報はどうだろうか、雪は止んでいるだろうかと、天気予報を見ない日はありません。でも、まもなく春です。春は確実にやって参ります。２月の「気ままにご挨拶」は、Ｎさんの２月の「ちりめん細工絵」と、去年２月と３月に拝見した「ちりめん細工絵」を、ご披露させていただくご挨拶にしました。この数枚の写真が、たとえひと時でも、皆さまの日頃のご苦心の慰労になれば、これに越した喜びはありません。 （応援団子Ａ）
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